豪雪の冬 三周ヶ岳

真っ白な越美国境稜線。

私たちの足跡を刻んでいく。

湿り雪で足元は重いが心は浮き上がりっぱなし。

丸くて大きな大きな三周ヶ岳。

近づくにつれ、姿を変える。

最後はどんな姿で私たちを迎えてくれるのか、

ドキドキする。

夜叉が池からの稜線へあともう少し。

とんがりを増してきた三周ヶ岳。

夜叉が池からの稜線に出る。

白銀の世界にウサギの足跡が続く。

月夜の晩、飛び跳ねるうさぎの姿を想像する。

怖ろしく美しい光景にゾクッとする。 

 

夜叉が池までの藪道、高丸への稜線。

軽やかなウサギの足跡。

豪雪の冬の奥美濃の風景。

今、目の前に広がるこの風景は二度と味わうことが出来ないのだ。嬉しさと胸の痛み。一歩一歩を心に刻む。