やまやまくらぶ

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やまやまのページ

やまやまのページはお引っ越します。

今後は下記サイトになります。

アクセスよろしくお願いいたします。

霊峰大山

初めての山の一歩目は、宝珠尾根。

登ったり下ったりの雪の痩せ尾根を進み稜線に出る。

「ここはどこ?」

限りなく白く、静寂の世界。

自分がどこにいるのか、これからどこへ向かうのか、しばし思考が止まる。

真っ新な雪面に刻みつけられた我が足跡を見て、大山を歩く私に戻る

 

雪と風の芸術。

自然が織り成す風景の美しさ神秘さ。

 

宝珠・・・意のままに願いをかなえる宝。

宝は私たちの心にあり、紆余曲折しながら感じるものなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

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ある一日 大谷山

ふんわりやわらかな風景に出合いたい。

朝ゆっくり家を出て、夕方には帰宅したい。

そんな日の山歩き。

 

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豪雪の冬 三周ヶ岳

真っ白な越美国境稜線。

私たちの足跡を刻んでいく。

湿り雪で足元は重いが心は浮き上がりっぱなし。

丸くて大きな大きな三周ヶ岳。

近づくにつれ、姿を変える。

最後はどんな姿で私たちを迎えてくれるのか、

ドキドキする。

夜叉が池からの稜線へあともう少し。

とんがりを増してきた三周ヶ岳。

夜叉が池からの稜線に出る。

白銀の世界にウサギの足跡が続く。

月夜の晩、飛び跳ねるうさぎの姿を想像する。

怖ろしく美しい光景にゾクッとする。 

 

夜叉が池までの藪道、高丸への稜線。

軽やかなウサギの足跡。

豪雪の冬の奥美濃の風景。

今、目の前に広がるこの風景は二度と味わうことが出来ないのだ。嬉しさと胸の痛み。一歩一歩を心に刻む。

 

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「ちょっと一息」  鈴鹿の山、雪の日の断片

雪降る日、登降の練習。

ちょっと一息。

一人で見る風景

二人で見る風景

三人で見る風景

同じ風景も違って見える

予定を変更して出合えた風景。

静寂のたっぷり積もった雪山の中、三人の笑い声が響き渡る。

 

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贅沢な一日 2 大ダワ

今日は春の陽気の中、絶景を楽しみながらの山歩き。

美濃側からの三周が岳は険しく神々しさを感じる。

 

 

 

吸い込まれるような青空に、無風の穏やかな山頂。

真っ白な白山、御嶽山、奥美濃の山々・・・一際そそり立つ蕎麦粒山。

いつまでも眺めていたい奇跡のような一日。

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贅沢な一日 1 上谷山

出発地に着くと本降りの雨。

予報は曇りのち晴れ。

車の中でグズグズしていると小降りになってきた。「行こう。」

新雪の積もった幻想的な霧の樹林帯を抜けると、モノトーンの世界に向かう先が浮かび上がる。たおやかな尾根のキリリとした雪庇の美しさに足跡を付けるのをためらってしまう。

江越国境稜線から越美国境稜線を眺める。

尾根、谷を辿り山頂にたどり着くのも楽しいが、

何処までも稜線を辿っていけたら・・・妄想が広がる。

何度も何度も振り返り、

どこまでもどこまでも歩きたくなる。

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「伊吹山詣で」

山頂に広がる風景、山頂から眺める遠くの山々を思い描き、一歩一歩頂を目指す。

真っ白な雪面に芥子粒の様な私達。

全く知らない者同士、一つの山頂に向かうという時を共有し高揚感が高まる。

 

 

 

 

山頂に広がる非日常的な世界。

 

「近江カイラス」

びわ湖越しに白く輝く伊吹山を始めてみた時、

憧れのカイラス山はこんなにも近くにあったのだとドキドキした。

私のカイラス、伊吹山。

これから先もこの頂を感じることができるのだと思うとうれしくなる。

 

 

夢か現か 純白の赤坂山

大雪後の赤坂山。

人気のあるこの山も今日は途中からノートレース。

白く輝く雪面に刻まれる友の足跡。

たおやかな雪原は限りなく続き、足跡も限りなく刻まれていくのだろうか?

純白の山は私の知る赤坂山と重ならず、夢の山を歩いているような気分だった。

 

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大雪の日 比良山 2

先週に続き今週も大雪。

今日は釈迦岳に向かう。

ワンゲル新道の痩せ尾根もたっぷりの雪で柔らかな尾根に。

 

歩いている最中もしんしんと雪は降り積もる。

山頂直下リフト道合流点でタイムリミット。

スノーシューを履いても太もも、深いところでは腰まで潜る深雪。朝から積もった深さも相当。

下りに使ったリフト道も太ももラッセルで思うように進まない。

 

二週続けての大雪の比良山。

慣れた山の未知の表情。

次はどんな表情を見せてくれるのだろう。

 

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大雪の日 比良山 1

この日は雪にまみれてへこたれたかった。

願いが届いたかのように前日、雪が降りしきり、この日の朝もまだ降り続いていた。

どこまで進めるか?

向かう先は堂満ルンゼ。

取りつきまでは亀の歩み。

ルンゼに入ると雪まみれの世界だ。

目の前の雪を手で押しのけ進んではずり落ち雪と戯れる。思いを雪にぶつけに来たのだが

雪と楽しんでいる自分にふと気づく。

14時。今日はここまでだ。

 

あんなに往生した登りも下りは正面谷登山道合流点まで数十分。

二人の往復で出来たトレース。

こんもり丸みを帯びた雪景色の中、リボンのように伸びるトレースは私たちが作ったものだが

雪山からのプレゼントのように感じる。

思う存分雪にまみれ、でもへこたれなかった

一日だった。

 

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期待を寄せて・・・ 綿向山

この時期、人々の期待の詰まった綿向山。

今日は、墨絵の世界。凛とした白さの霧氷の木々に出会えた。

修験道の場から多くの人々に愛される山へ・・・山と人との長い歴史にクラッとする。

 下りは気になっていた熊野からの雨乞岳ご登拝道が交差した塩の道峠を通る。あれこれ想像していたのに、実際はすっと通り越してしまった自分に可笑しくなる。

 

 

 

 

 

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「大根山」

今津町天増川の集落の裏山の山頂周辺に広がる段状の畑の跡。

戦時中、大根畑に開墾したという。

そういう時代がありこのような暮らしがあったという事実を感じるにはあまりにも遠い今日の穏やかで明るい風景。

帰宅後、図書館で借りていた辻仁成の「日付変更線」を読む。

あらたに知る戦争の姿。

戦争の中、生き抜いた人々、犠牲となった人々

そして今ある暮らし。私の生まれた昭和という

                                 時代をもっと知りたくなった一日。

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伝説の池を訪ねて 夜叉ノ妹池

藪の中、静かに姿を見せてくれた夜叉ノ妹池。

薄くかぶった雪が、夜叉が池が源という神秘さを増している。

酉年の始まり、鳥越峠まで歩こう。

鹿の足跡に導きられながらの藪山歩き。

帰りに近江高山の堂来清水のお水をいただく。

干ばつの時、妹池の竜神様に雨乞いして湧き出たといわれている。

ひっそりとした山の中の池の存在に人々は神を感じたのだろう。

 

 

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年越しの山旅  北岳

2016年最後の日のご来光。

好からぬ気持ちで過ごした日々もあったが、今この世界を感じられることに感謝。

一歩ずつ北岳へ。

雪稜に見入る。

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ホワイトクリスマス 涸沢岳

クリスマスはダンちゃんと涸沢岳登山。

樹林帯から上には行きたくなさそうなので

2550mの痩せ尾根で無理やりビバーグ

案外と根性なしのダンちゃん!

本日は風も弱く、ダンちゃんはご機嫌、

静かなクリスマスイブを共に過ごす。

翌日、ダンちゃんはお留守番。

ひとりで涸沢岳山頂へと目指す。

わずかな踏み跡を辿り、誰にも会わず、

頂上でも一人ぼっち。

ダンちゃんも誘えばよかったかな?

 

気が付くと見上げた山々を見下ろすことに、

風も強まり、顔がこわばる。

う~、寒い冷たい痛い!

ダンちゃん、来なくてよかったね♡

ダンちゃん、一人で大丈夫かな!

さびしくなかったかな!

すねていないか心配だな、

急いで駆け降りる、

 

この後、ダンちゃんと無事再会。

クリスマスはやっぱり

ダンちゃんと一緒がいいね!!

 

*ダンちゃんは我が愛しのテントの愛称です!

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銀嶺へ サギダル尾根から宝剣岳

12月、アルバイト先は繁忙期。

二人の休みが合った絶好の山日和の一日、

今シーズン初の銀嶺を感じに出かける。

 

サギダル尾根。2600メートルの千畳敷から中央アルプス稜線へ伸びる小さくも登りごたえのある尾根。

前日の積雪でトレースの無い純白の雪原を登り始める。この感触!膝ラッセルにワクワクする。

宝剣岳南稜から来し方を振り返る。

壮大な風景の中の小さな小さな私。歩いた距離はほんのわずか。でも今の私は大きな充足感に包まれる。

 

 

山頂で絶景を堪能!と思うも、強風でそそくさと退散。

乗越浄土でエネルギー補給。

別方向からの宝剣岳を眺めようと中岳へ。

北稜からの宝剣岳の神々しさに、金縛りにあったように足が止まる。

 

和合山への途中から眺めるサギダル尾根と南稜、北稜。歩いてきたルートを目で辿る。

「サギダル」という不思議な響き。

 6月、極楽平周辺に鷺の雪形が現れるそうだ。

ダルは「垂る」。鷺の雪形の下方の滝(垂水)を指す。

北の将棋頭から南の越百山に伝わる雪形の数々。山と人との関わりの深さ、山への想い、

畏れ。雪形は農時期に入る人々の思いと繋がる。

いつか新緑のころ駒ケ根の地を訪ねようと思っ 

                                 た。

 

 

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朽木の山の一コマ

植林地を抜けると明るい二次林の谷。

里山の谷の源頭部の美しさ、楽しさに今日も出会えた。

あれこれ歩きたい山が浮かび、ふらふら出かけるが、朽木の山に戻るとホッとする。

地元民ではないが「ふるさとのやま」。

これから雪の季節、朽木の山は美しく、厳しく私たちを迎えてくれる。

 

 

 

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年月の流れ 銚子ヶ口、イブネ

八風街道の近江側最奥の集落、杠葉尾から銚子ヶ口に向かう。

杠葉尾という風流な響き。この地にユズリハが多く生えていたからという一説も。

かつて炭焼きが盛んだったこの地は今は植林の森。明るい稜線にでて気分も明るくなる。

雨乞いの神事の場であった水舟ノ池。「鈴鹿の山と谷」に伐採され丸裸になり見てはいけないようなものを見てしまったと書かれた池。今は植林されたスギが大きくなり水面に黒い影を映している。

 

筆舌に尽くしがたい二次林の美しさといわれた銚子ヶ口とクラシ間の尾根道。

初冬の尾根は明るく静寂に包まれ、鈴鹿の山の懐にいるうれしさがこみ上げる。

イブネ。緑の苔が広がり開放感あふれる台地。かつては笹の海原だったという。

~バチバチ、ザワザワ、ガサガサ、その他の音は無い。隙間が全くない竹垣を突き破るよう~

「鈴鹿源流」の世界に思いを馳せてみるものの

今日のイブネはあまりにも明るく暖かで、昔日の姿は想像し難い。

 

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若狭側から桜谷山(天狗の峰)へ

桜谷山から若狭側を眺めては今度はそちらからと思っていた。

池の河内から先ずは小栗山へ。

最初の急坂を登り終えると期待していた通りのぶな林。曇天だが落葉した尾根道は明るい。

木地山からは桜谷山だが小浜の人々は「天狗の峰」と呼ぶと知る。

天狗の棲む奥山か。

地域によって呼び名が異なる山。

一つの山の様々な表情に出会うとドキドキする。

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甦る峠 洞峠

綾部と京丹波町、南丹市の境の尾根を歩く。

山茶花雨の中、淋しさ、懐かしさ、温かさに包まれ、ふかふかに積もった落ち葉を踏みながらの山歩き。

 

洞峠。

奈良時代、丹後若狭と山城大和を結ぶ街道として開かれたという。

峠に立てられた木の板。美山豊郷と綾部上林の方々が、秋の一日ここで交流するそうだ。

今年19回目の真新しい板が一番下に足されている。

人々の道への想い。

静かな山の中の熱い一筋に私も思いを馳せる。

 

 

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野坂山地 秋の音

カチリ

石英の音

井上靖の本で出会った美しい言葉。

秋の里山を歩くと、こころの中でつぶやく。

その瞬間、中学生の私に戻る。

美しい言葉、美しい風景に出会った時のドキドキした感情はまだ私に残っている。

そんな自分に安堵する。

 

古道が残る山肌。

毎年毎年落ち葉が積み重なりふわふわの道。

カサ、カサ、カサ、乾いた足元の音は澄んだ秋の空気に吸い込まれ、振り返ると静寂さだけが残っていた。

 

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鈴鹿の山中で

谷に向かい急斜面を下っていくと、炭焼き窯跡が。こんな場所にと思うところに暮らしの痕跡。

アフリカ旅の断片が甦る。ニジェール、サハラ砂漠の入り口のトアレグの田舎町。リビアへの出稼ぎ労働者を満載したトラックが地の果てのような砂漠に向かい出発する。秘境という響きに魅せられ訪れた私が目にしたのは、ここが日常であり生きる為の手段の場である人々。

山を歩くと思い出すアジアやアフリカの辺境に生きる人々の姿。

辺境、山の暮らしは民族、時間を超え、何か通

                                  ずるものを感じる。                                                          

 

遠くから眺め気になっていた山の稜線。

その山中に入り、想像以上の美しい光景が出迎えてくれた時の嬉しさ!

 

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古道から 「祈り」を想う 金草岳、蠅帽子嶺

美濃と越前を結ぶ峠を訪ねに、廃村の楢俣から桧尾峠へ向かう。林道脇のお地蔵様。まだきれいな頭巾、お供えのお菓子から人々の想いが伝わる。古い写真で見た尾根道上の二体のお地蔵様には出会えなかった。

かつて春と秋に鯖江の浄土真宗の御使僧が通った道。今は細々とした踏み跡の道だが、所々で見かけた落書きの刻まれたぶなの木が、私の親が生まれた頃もこの道が生きていたことを教えてくれる。

能郷に向かい夕陽を受け輝く錦秋の冠林道を走る。この日、この時間、ここを通れて良かった

日本の山の美しさをしみじみ感じながらのドライブ。

圧倒的な存在感を放つ冠山。神々しく光る頂が「憂いは馬坂、つらいは冠、のりの遠いは田代道」と唄われたつらい峠道がアスファルトの道の下にあったという事実を思い出させてくれた。

 

翌日は蠅帽子嶺へ。

幕末、尊王攘夷派の水戸天狗党が志を伝えようと京に向かい越えた峠道。12月の吹雪の中、女性も含む800人もの人々が熱く切実な願いを抱え行進したのだ。紅葉の奥山で近代日本の成り立ちを考えさせられる。

山仕事、巡教、交易、移動・・・山を歩く人の負担が軽くなるよう尾根を横切りながら緩やかに道は延びている。所々に残る石積みは人々の祈りや願いの重さを支えてくれていたのだろう。

鯖江誠照寺の「お回り」道

鯖江~板垣峠~水海~巣原峠~熊河温見~中島~秋生~蠅帽子峠~猫峠~折越峠~松田~樽見~長領~能郷~馬坂峠~下開田~上開田~門入~戸入~本郷~山手~馳原~塚~檜尾峠~田代~板垣峠~鯖江。  今は無き集落も。  そんなに遠くない昭和の初めも春秋年2回巡教されていた。

 

 

 

 

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鈴鹿 鉱山跡を訪ねて

「お金明神」

樹林の中、突如現れる自然の造形。

昔、鉱山従事者が金山神と崇め、鉱山の衰退後は佐目の集落の人々の雨乞いの神様となったという。

天狗の横顔のように見える巨岩。

ピンと張りつめた空気の中、私も知らず知らず手を合わせていた。

 

 

オゾ鉱山跡。

鈴鹿の山中に点在する鉱山跡。明治から昭和にかけては集落が出来、学校もあったという。谷のあちこちに見られる炭焼き窯の多さも鉱山の活気を物語る。

戦時中が最盛期だった山の中の鉱山。

今は美しい二次林の風景の一部となり、かつての光景を想像するのは難しい。

きれいな絵柄のお茶碗。

このお碗でご飯を食べていた人は何処から来て何処へ行ったのだろう。

どのような思いでこの地を後にしたのだろう。

次の地で、素敵なお茶碗を置いてきてしまったことを思い出したりしたのだろうか。

今日を生きるのに必死だったのだろうか。

持ち主を失い何十年も経った今も洗いたてのように白く光る茶碗に私は次々問いかける。

 

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比良山 小松山散策

午後の時間の空いた日、北小松の裏山を散策。杣道を辿ったり斜面をよじ登ったり。

急斜面で精巧なな石積みに出会った。湖西に多く見られる石積み。比良の民俗史を知りたくなる。

小松の山で歌われた「柴刈りうた」

山に行くならわし誘とくれ

山はよいとこ気が晴れて

涼みむき上げて花一越えて

どんどと下がれば畑の小場

大滝小滝は唄で越す

                                 どんどと下がればしたえ松

                                 したえ松からかきの小場までも

                                 まだも待つのか弁当箱

 

 

 

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秋の野坂山地 甲森谷、庄部谷山

秋の風が冷たく感じると野坂山地の紅葉が気になる。今日は甲森谷へ。

カツラの巨樹が静かに立ち並ぶ岸辺。積もった落ち葉の絨毯からは甘い香りが漂う。

綿あめのにおい・・・目の前の風景とは全く違うインドの田舎町の綿あめ屋さんの姿が脳裏に浮かぶ。山を歩きながらこころは記憶の中に迷い込む。

石積みを前に我に返る。この谷に点在する炭焼窯の跡。カツラの木が見つめていた人々の暮らしはいかなるものだったのだろう。

美しいぶなの林が広がる庄部谷山。

何世代にもわたり人の手の入った山。

大きなぶな、若いぶな、株立ちしたぶな、一本のぶなの木から山と暮らした人々の思いをかすかに感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

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今日の比良山  獅子岩

半日時間が空いたので北小松の楊梅の滝傍の獅子岩へロープワークの練習に。

車で30分の距離で四季を通じ様々な遊びができる山がある幸せ。ぼぉっと琵琶湖を眺められる幸せ。

岩の上に着き湖を眺めていると気持ち良くて動くのがおっくうに。寒くなってきたし今日はもう帰ろうか。

近くの山では気持ちもおおらかになる。

 

 

 

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奥美濃の里山、花房山

優雅な山容と山名の花房山。

色づいた秋の奥美濃を感じに出かける。

かつては立派であったであろう廃寺の横が登山口。廃村となった村の里山の手入れされた道。この山を愛する人々の思いが伝わってくる。

笹薮の山頂も切り開かれていて360度の大眺望を楽しめる。幾重にも重なる奥美濃の山々、その先には白山が。村から山へ、山から山へ歩いた人々、山間の村で暮らした人々を想像する。

徳山ダムを俯瞰。

徳山村全八村の消滅と引き換えに出来た総貯水量日本一のダム。

手元にある奥美濃の本。そこに書かれた徳山の村々はもう存在しない。

百年後、二百年後、花房山から周りの山々を見渡した時、ダム湖は景色として山に溶け込んでいるのだろうか。

色づき始めた奥美濃の山は明るく、淋しい。

その淋しさが私をまた次の山へと向かわせる。

 

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白山歴史の道を歩く 赤兎山杉峠道、越前禅定道

ふとした折読み直す宮本常一の「山に生きる人びと」。気になっていた白峰から小池へ人々が通った道。草紅葉の赤兎山、越前禅定道も

楽しもうと出かける。廃村三谷からの尾根道は所々白山が眺められ楽しくて気が付くと峠に。

夏に歩いた小池側の道が藪の中かすかに見える。杉峠から裏赤兎山も美しいぶな林に気分がいい。

鞍部から急坂を登ると静寂な世界から一転、にぎやかな世界へ。

秋の三連休の最終日、老若男女でにぎわう赤兎山。愛される山はやはり美しい。渋滞に戸惑いながらも大勢の人たちと今日山歩きを楽しめる幸せを感じる。

小原峠から禅定道に入ると、静寂の世界に舞い戻る。人々を見つめてきた小さな石仏。

 そっと手を合わせ先へと進む。

転ばぬよう、迷わぬよう、石仏が見守ってくれ

ているような気がして、ぽかぽか温かなこころで歩くことができた。

 

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白山歴史の道を歩く 加賀禅定道

台風一過の空の下、こころの山の歴史の道をたどる。

平安時代に開かれた禅定道。

ぶなの森を抜け、急坂を登ると壮大な風景が目の前に広がる。

麓の村からは想像もつかない世界。

非日常的な風景の中、人々は何を思い何を願い歩いたのだろう。

 

村民に悪さする強欲な老婆と化け猫が封じ込められたという四つの石積がある四塚山。

信仰の道に強欲の老婆にまつわる伝説。

人間の持つエネルギーを一瞬感じる。

今回はここまで。

私の女神に挨拶をして帰路に就く。

人々の思いが積み重なる歴史の道。私の思いもそっと重ねてきた。

 

 

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秋の黒部山旅 黒部ダムから下の廊下~剱岳~東一ノ越周回

一日目 雨の下の廊下

90年前、豊かさ、発展という希望の下、4年の歳月を経て切り開かれた日電歩道。

何かを造る、手に入れるということは何かを失うこと。

こんな言葉が頭をよぎる。

体に打ちつける雨がふとこの事業に従事した人達の汗や涙に感じる。

太陽の眩しさの中では感じなかったであろう思い。

 

二日目 雲切新道から池の平へ

緑の世界から錦秋の世界へ、急坂の登りはこころが先へと急ぐ。

仙人池周辺はまさに紅葉の始まり。ほっこり、おもちゃのような池の平小屋へ向かう。

眼前に迫力の裏剱、眼下には静寂の平の池と素晴らしい景観の地はかつて鉱山でにぎわっていたという。山また山の中の今から少し前の人間の歴史。

眠りにつく前、トイレにとテントから出る。漆黒の闇の中、ポツンと灯る小屋の明かり。その光

                                 は温かく平安に満ちていた。     

三日目 北方稜線をたどり剱岳へ

小窓雪渓を登り終えた時、オレンジ色の世界に包まれる。今日はどんな風景に出会えるのだろう。ドキドキしてくる。

ガスが湧いたり晴れたり、その都度剱の稜線は異なる表情を見せてくれる。

長次郎ノ頭から絶景を楽しみ最後の登り。午後からの雨の予報を気にしつつ、頂上にまだ着きたくないと名残惜しさに何度も来し方を振り返る。

 

別山尾根を下る途中、出会った父と娘のお二人。私と同年代の娘さんの、お父さんに向けるまなざしの優しさに胸が熱くなる。一期一会をかみしめる。

別山乗越から立山を望む。針山地獄剱岳から

極楽浄土の立山三山。立山地獄の地獄谷。

立山曼荼羅の世界をこの目で感じる。

雷鳥沢へは、稜線歩きの大回りで。前回歩いてお気に入りのチングルマの紅葉の道。今日も私達二人きりだ。楽しかった一日を振り返りながらテント場へ向かう。                               

四日目 錦秋の一ノ越から黒部平

夜降り始めた雨は明け方には止みホッとする。

一ノ越から東一ノ越は紅葉真っ盛り。

何度も立ち止まり見とれていると、雨につかまり先を急ぐ。

険しさ厳しさと優しさ、美しき剱立山。刻々と変わる景色の中を歩いていると、人の一生、こころの内、人間社会をなぞっているような気分になる。来年はどの道をたどろうか。早くも妄想が始まる。

 

 

 

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若狭側から駒ヶ岳へ

池河内の集落の先から駒ヶ岳へ。川の両岸の尾根を周回する。

最初の急坂の後は、下草の殆ど無い歩きやすい痩せ尾根。明るい広葉樹の尾根歩きは心地よい。

分水嶺に近づくとぶなの森。下りの千石山に続く尾根も楽しい。

途中、見かけた「熊川城址」や「天徳寺」への矢印。どんな道だろう。妄想が広がる。

帰りに寄った、三番滝。一番下の滝つぼに石を投げると大雨になるという。二番目の滝つぼにはお不動様が祭られている。滝の周辺はかつては田んぼや畑だったのだろう。植林の中、苔むした石積みが随所に見られる。天候に翻弄された人々の苦労を想像する。

滝のそばから分水嶺を越え麻生へと道が延びていたという。戦国時代の武士も通ったという池河内越え、麻生越えと呼ばれる古道。今日も里山から学んだ一日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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今日も発見が・・ 比良山

岩場歩きの練習をしようと、比良の涸れ谷、中谷αルンゼへ。

あれ?今日はなんだか登りにくい。雨後の湿った岩にトレッキングシューズだからか。   

状況によって山の感じ方も違ってくる。考えながらの岩登りはより楽しい。

最後のガレ場を登り、クロトノハゲでお昼ご飯。

初秋の風が心地よく山歩きしたい気分に。予定を変更し打見山へ。こんなところにお不動様が。

比良岳への道中では木々の向こうにぶなの大樹。

そして葛川越からの下りでは立派な炭焼き窯跡との出会い。

何度も歩いている道。でも風景も風景を見て感じる私の心もその都度異なる。

そして、気づかず通り過ぎてしまっているものの多さ!

同じ道からの「発見」は尽きることがない。

 

 

 

 

 

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出会いから繋がりへ 小津権現山

ご縁の出来た方と山歩き。

予定していた山は生憎の天気。

どうしようか、選んだのは小津権現山。

北アルプスで出会い、今奥美濃の静かな里山を楽しんでいる私達。小さな山の頂上から幾重にも連なる山並みを二人で望む。

北アルプスは雲の中。ちょっと残念。

小津権現山は私にとって興味深い山。

人との出会い、山との出会い、生きていく中、山を歩く中、幾度となく繰り返される。

その中でご縁があり先へと繋がるもの。

                                 小津権現山はより深い山となり、Mさんとの繋

                                 がりを感じ感謝の一日。

                                  

 

 

 

 

 

 

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二つの鎌尾根を巡る旅       槍ヶ岳  北鎌尾根、東鎌尾根

二人にとって、それぞれ思い出深い合戦尾根。

それぞれの記憶をたどりながらの山歩き。

「あっ槍ヶ岳!」

過去から今へ気持ちが戻った瞬間。

 

明日はあのトンガリのてっぺんへ。

気持ちは早くも未来へと移っている。

貧乏沢。何故にこの名がついたのだろう?

ゴロゴロした岩、藪っぽい樹林帯、

まとわりつく虫たち。ため息がでる。

貧しいのは私のこころか?

うだうだした気持ちで下っていると

爽やかな滝が慰めてくれた。

あともう少し、頑張ろう。

明日は北鎌尾根だ。

 

二日目。夜明けの少し前から歩き始める。

沢を詰め、昨日眺めていた

穂先から延びるぎざぎざの稜線に立つ。

さあ雲上の岩場歩きの始まりだ。

高鳴る気持ちを息切れが抑え、

一歩ずつトンガリに近づいていく。

 

 

 

 

 

いくつピークを越えたのだろう。

トンガリの根元にたどり着く。

これから、二つのチムニーを登り頂上だ。

と、手元の岩の上に猿?の糞が。

その上の岩にも、さらに上にも・・・。

「北鎌尾根を登る猿」

美しいフィナーレを思い描いていたのに、

猿の物語が浮かんでくる間抜けな自分に

苦笑する。

 

 

三日目の朝、西岳から光り輝く槍ヶ岳の眺望。

昨日歩いた稜線を目で追い、刻々と変わる岩肌の色を息をひそめて見つめる。

 

二つの鎌尾根と表銀座。

圧倒的なの風景の中の山旅。

その中で一番心に衝動を覚えたのは

出会った人々の、今を満喫するエネルギー。

最後の合戦尾根の下りは、

インドの巡礼地を彷彿させる賑やかさ

 

                 いつかまた北鎌尾根を歩く時、私は何を感じ、何を思い出すのだろう。

 

 

 

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涼を求めて 牛谷

猛暑の日、新庄から粟柄越への途中、折戸谷の支流の牛谷へ。

苔むした岩の間を落ちる流れは清らかで、木々の緑も目に優しく涼し気。

こんな美しいカツラの木にも出会えた。

下りに歩いた尾根は、かつては山仕事の道?

今は一部送電線の巡視路になっている。

多くの人が歩いた折戸谷沿いの道も、その役割は時代とともに変わり、昔日の面影はアスファルトで覆われてしまった。

変わらぬのは夏の強い日差し。

幾多の人々が汗を拭きつつ歩いた道を、遊びを終えた私はエアコンの効いた車で帰路に就く。

 

 

 

 

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「黒部の山賊」の地を巡る 太郎兵衛平から雲の平、黒部五郎岳周回と赤木沢

初日、歩きはじめから不穏な天気。霧の中黙々と進む。カベッケが原も素通り。なんか違う。

好きな地を訪れているのに自分の気持ちの低さに戸惑う。

樹林帯の地味な急坂を登り終え木道が現れても花が咲いてないとがっかり。足取りも重い。

すると雲間から水晶岳が!

とたんにテンションが上がる。

今日は雲の平で一晩過ごすのだ。

どんな夢を見るのだろう?ワクワクしてきた。

 

山賊、お化け、埋蔵金・・・「黒部の山賊」の世界より天気が気になる。夜中、何度か目が覚め、月明かりにホッとする。

夜明けだ。

今日は太郎兵衛平までの長い一日。

先ずは大展望を楽しみに祖父岳。そして黒部川の源流へ。秘境の地も折立まで延びる車道と歩きやすい登山道のおかげでこんなにあっさりと訪れることができる。

 

 

 

 

 

一つ山を越えるとまた山が。

背中の荷物が身に堪えるが、夏山縦走は楽しい。

道の続く限りどこまでも歩いていきたい気分。

2年前は悪天候で断念した黒部五郎岳。

今回は、オコジョと虹が迎えてくれた。

 

 

次の日は赤木沢。黒部の山奥の楽園。

美しい滝の展示場のよう。

ゆっくりしたい、でも次にあらわれる景色見たさに気が急ってしまう。

大滝を過ぎて最初の右俣へ。

 ちょっと野暮っぽい沢になり落ち着く。

小滝も続きうれしい。

最後の滝を登り源頭部へ。

稜線への詰めに入った途端、今までの青空が一転、霧の世界へ。

ハイ松帯をよけながら目星をつけた地点を目指す。

昨日歩いた登山道にでる。霧の中の道は歩いたばかりなのに覚えのない道に感じる。

合っているのに不安になる。

こんな時、「黒部の山賊」が浮かんでくる。

時折、霧が去り赤木平が見渡せる。

雲の平とその周りの山々。「黒部の山賊」を初めて読んだ時から憧れの地であり続けている。

美しい自然はもちろん、人里離れた山奥での人間と山との逸話は読む毎にどんどん惹きこまれていく。

そして、当たり前のように感じている登山道や山小屋の誕生までの苦難。

20代のころ出会った一冊の本は今なお私の心を強く打つ。

 

 

 

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伝説の池を目指して ヘク谷

山の伝説は興味深い。

「昔、修行僧が登った時は八つあった滝が下るときは九つだった。」

ヘク谷の名前の由来のひとつ。

苔むした谷、次々に現れる滝とその轟音、上部は巨石が重なる岩場・・・。

水でぬれたのとは違う冷やっとした空気を感じたのは気のせいか?

小女郎ヶ池。既婚の女性お孝と大蛇の化身の青年の恋伝説が残る池。

人々にとって山上の池は特別の存在だったのだろう。

牧歌的な風景を前に、山に暮らす人々と、日常を離れ山を楽しむ私とが創り上げる物語は違ってくる。

でも山の伝説は、国を越え通ずるものがあったりする。物語から垣間見える深層心理。

猛暑の日、暑さを忘れ物語の世界に遊んだ一日。

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谷と峠道を巡る旅 桧谷、杉峠

気になっていた谷へ向かう。

写真で見てはいたけれど、目の前に立ちふさがる巨大岩に圧倒される。

見れば見るほど不思議な気分になる。

谷から見る世界の広さにくらくらする。

岩の上は・・・数百メートル続くナメの世界。

「あぁきれい」呆けたようにつぶやき続ける。

今日は、誰も知らない秘密の沢で遊ぶ少女になった気分。

一歩一歩が楽しくて、進むのをためらってしまう。

楽しい沢歩きの後は、古道歩き、杉峠へと向かう。白峰と小池を結ぶ生活道。

郵便物も運ばれていたとか。

かつて山の奥へ奥へと暮らしの場を求めていった人々の想いは、便利な暮らしに慣れきった私には計り知れない。山林を開墾し出づくりに従事した暮らしが私の生まれる少し前まで営まれていたのだ。小さな人間の営みは深い。感慨にふけりながらかろうじて踏み跡の残る急坂を黙々と歩く。ポンと出た峠はきれいに整備されていた。なんだかうれしくなる。

                                 峠から見えてくる人の営み。その営みの延長上

                                 にある今の私たちの暮らし。そんなことを感じな

                                 がらの峠めぐりは楽しい。                       

                                                           

                               

 

 

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谷と峠を巡る旅 湯の花谷、粟柄越

我が家から見える山並みの反対側の風景を感じに出かける。

ぶなとトチとサワグルミのさわやかな森の中の澄んだ流れ。

大きな滝を巻き、小さな滝を登り、水と戯れ緑を満喫する。

 

 

源頭は美しいぶな林。

稜線への詰めも優しく、名残惜しくなる風景。

 

粟柄越。飛鳥時代に開かれたといわれる若狭と近江を結ぶ交易路。

若狭側は素晴らしい。絶妙な傾斜の体にやさしい道を下る。

少し昔明治のころまで生活道として使われてきた粟柄越。人々の歴史はぶなとトチの森に吸い込まれ、今は美しい山道として登山者を楽しませてくれる。

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記憶をたどる旅、積み重ねられる思い出 朝日岳~唐松岳

この先、きれいなお花畑があったはず。

あぁこれからしんどかった登りだ。

朝日岳から白馬岳への稜線。

たおやかな山並み、残雪の白さ、百花繚乱のお花畑・・・かつて私の見た風景が蘇る。

 

雪倉岳に着いたら・・・

そう、この瞬間をまた味わいたかったのだ。

 

どっしり存在感のある旭岳。

かっこいいなと毎回見とれている。

「今回は登ろう」

「私は眺めているだけで満足」

「じゃあ、一人で行ってくるね」

 

山頂を訪れた一人、眺めて満足の一人、

再び白馬岳を訪れた時、二人は旭岳をどう感じるのだろう。

 

 

今宵の寝所。

夕闇迫るテント場に肩を寄せ合うように集まる色とりどりのテント。

住んでいる場所も、日々の暮らし方も違う人達

が、今日、山上の小さな空間に集まり、幸せに浸りながら眠りにつく。

 

 

山頂でご来光を待つたくさんの人々。

少し離れ、静かに佇むカップル。

東の空を見つめその瞬間を待つ。

「あっ出た!」

山頂はどよめきで包まれる。

賑やかな白馬岳でのご来光。

その高揚感に胸が熱くなる。

 

多くの人々に愛される白馬岳。

訪れた人々の心の中に美しい思い出として残るのだろう。私の心にもたくさんの思い出が詰

                                まっている。 そして今回、楽しく美しい思い出が  

                                さらに積み重ねられた。                                                          

 

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童心に返る 神崎川

近づく瀬音にワクワクしながらムシムシした山道を下る。

木々のトンネルを出ると、神崎川とご対面。

今日はどんな谷歩きになるだろう?ドキドキしながら最初の一歩。

ヒヤッと頭に突き抜ける水の冷たさ。

この瞬間がたまらない。

 

青い淵に見とれたり、岸壁をへつったり、磨かれた白い転石を乗り越えたりちょっと泳いだり・・・。

「少年のある夏の探検物語」そんなストーリーが勝手に思い浮かび、その少年になったような気分の自分に可笑しくなる。

 

 

 

 

 

 

支流の白滝谷は、エメラルドグリーンの淵がキラキラと輝く穏やかな谷。

 

びわ湖越しに日々眺めている鈴鹿の山々。

夏の一日、青い山並みの懐を感じに訪れた小さな山旅は、眠っていた小さな自分との出会いだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

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裏剱から長次郎谷

誰が名付けたのか、

剱沢の下流域を裏剱と呼ぶ

 

剱沢の流れはあまりにも激しく渡渉できず

今来たばかりの道のりを戻ることに

仕切り直しの内蔵助谷は藪漕ぎの試練を経て

絶景が待ち受ける

 

剱沢のテント場はいつ来ても感動でいっぱい

 

 

源次郎尾根を眺めながら

長次郎のコルまであとひと登り

長次郎の頭よりなつかしの北方稜線を臨む

東一ノ越より見上げる霊峰雄山

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植林の中の珠玉の谷 根五郎谷

よく歩く山域の気になる谷と尾根の数々。

今日は名前も気になる根五郎谷。

植林の山の味気ない入口からは想像もつかない小粒で美しい小滝やナメが次々と迎えてくれる。

 

 

 

つかの間の広葉樹。

緑と水と岩の競演。

私も仲間に入れてもらおう!

 

だんだん流れが細くなり谷の源頭へ。

この水が北川、安曇川、そしてびわ湖まで続いている。

 

私達の飲み水の源をたどる旅。

次はどこへ?

地図遊びに時間を忘れる。

 

 

 

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比良の小さな谷  八池谷支流ワサビ谷

谷の名前の由来を想像するのは楽しい。

ワサビ谷は人のにおいを感じる谷。

魚やワサビをとったり、炭を焼いたり、柴や薪を集めたり、

小さな谷から私の知らない、でも体の中のどこかで記憶しているような感覚を覚える。

こじんまりと美しい小滝の数々に、源頭の景色も期待したが、最後の滝から上はがれがれ。

斜面に逃げてナガオの稜線へ上がる。

来月まで早朝仕事の日々。

日々眺めている山の無限の世界の一端を感

                                 じていきたい。

 

 

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蛇谷が峰 与一谷をたどる旅

いつもは尾根をたどる蛇谷が峰。

梅雨の合間の晴れ。

今日は気になっていた谷をさかのぼろう。

楽しい小滝や炭焼き窯跡はあるかな?

ワクワクしながらの遡行。

絶妙な地形の箇所に炭焼き窯跡を見つけ、

期待以上の小滝の連続に大満足。

詰めの急斜面をよじ登り登山道にポンと出る。

半年ぶりの頂上でお昼ご飯。

「あぁいい山だなぁ。」

好きな山の懐の広さに心弾む一日だった。

 

 

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今週はお隣の口の深谷へ

もやもやした気分を抱え山に入る。

「今日は面白くない・・・」

ため息つきながらのろのろ歩き。

 

緑と水のシャワーを浴び

渓の美しさに見とれ

足場の悪い高巻に

ひやひやしたりしているうちに

何を悶々としていたのか忘れてしまった。

 

 

最後は明るく清涼感あふれる滝が迎えてくれる

 

安曇川、琵琶湖へと流れる比良の谷。

私たちの体を構成している命の源の水。

この滝は私たちの一部なのだ。

 

山があり、緑の木々があり、澄んだ流れがあり

私たちが存在している。

 

私たちの命の源を体で感じる。

沢歩きは楽しい。

 

 

 

 

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沢初めは奥の深谷へ

19の滝が連なるという奥の深谷。

美しく迫力のある谷が

1000メートル余りの山の中を流れ落ちる。

 

水際のコアジサイの花。

自然はこんなにも美しい光景を私たちに見せてくれる。

 

何種類の草が生えているのだろう。

葉っぱの展覧会だ。

意図して根付いたわけではないのに

芸術作品の様。

 

 

 

谷の上部は柔らかな風景。

 

びわ湖側の深谷から南比良峠を越え

坊村側はその奥の深谷。

 

遊びとしての沢歩きだが、

沢から見える世界は奥深く、

時代時代に生きた人々の歴史に思いを

馳せられる。

 

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春と夏の狭間の奥穂高岳南陵

岳沢から奥穂高岳まで一直線、

雪、藪、岩稜と、登山道が作られる前の山登りを体感できるルート。

 

雪渓、涸れ滝と楽しんだ先は、

ハイマツの藪漕ぎ。

進む時間と進まぬ距離。

こっちのほうが楽そうと、

目先だけ見て行き詰る。

自分の性格が表われる。

 

藪を抜けると岩の世界。

振り返ると澄んだ空に緑の上高地。

緑の海の中に吸い込まれていきそうだ。

 

 

 

 

どこまでも続く青い空、

岩の険しさ、雪の白さ、緑の優しさ、

 

山に魅了される人の想いとは・・・

人を山へ駆り立ててやまぬものとは・・・

ふと考える。 

 

でもそんな問いは

目の前に広がる岩の造形美に吸収され、

幸せとつぶやきながら歩く自分がいるだけ。

20日前より岩の黒さが目立つ

北アルプスの峰々。

 

春と夏の狭間の静かな穂高。

この上ない日和に誰もいない山頂。

厳しい穂高にやさしく包まれた気分。

私の心もあたたか。

 

日常に戻り、

ひんやりした心で固まってしまったとき

今日を思い出そう。

 

 

 

 

 

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再びの小野村割岳

十数年ぶりの小野村割岳は

トチとホオの花を愛でながら。

 

風雪で横に倒れながらも

空に向かい伸びるトチの木。

 

以前訪れた時は目に入っていなかった。

 

 

こんなに大きな穴の開いた杉も生きている。

 

「こうありたい自分」

「でも出来ない自分」

「そもそも自分って何?」

 

一筋縄ではいかず、

それでも大地に根を張り今を生きる

無言の木々をみていると

なんだか自分の体も空に向かって

伸びていくような気がした。

 

 

 

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ぶなの森に遊ぶ 芦谷岳、野坂岳

林道の奥はぶなの大樹の森。

 

美しく奥深い野坂山地のやまやま。

かすかに残る山に暮らした人々の痕跡。

山に生きた人々の木々への想い。

訪れるたび、山と人との繋がりにハッとする。

 

 

 

一生を終えたブナの大樹。

緑の海の中、私の上に広がる青空の広さに

一本の木の存在の大きさを実感する。

 

 

ぶなとユズリハの森。

柔らかな若葉が美しい。

やがて古い葉は落ちるのだろう。

 

赤坂山から野坂岳への稜線

そこから両サイドに伸びるぶなの尾根、

尾根と尾根の間の透き通った流れ、

そのひとつひとつを訪ねて行けたらと

夢想する。

 

 

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やまもこころもまんまる 伊吹山北尾根道

爽やかな樹林の中

眺めの良い草原の中

気持ちの良い優しい道が伊吹山へと続く。

足元には可憐な花々。

ここに道を作った山岳会の方々の情熱に

胸が熱くなる。

 

リュックの中には梅干しのおにぎり。

昼に出したらいびつな形になっていて

「それでも山で食べるおにぎりは最高!」

と笑ったり、

                                 気の合う仲間とささやかな楽しさを

                                                                                    たくさん感じながら歩きたい山。

                                           

 

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情景の山 穂高

北穂高岳から東に伸びる美しい岩稜。

 

涸沢から取りつきまで雪の急斜面を亀の歩みで登る。

 

稜線にのると槍が岳!

想い描いていた風景が今、目の前に。

 

岩と雪。

言葉はシンプルだが

そこは限りなく美しく怖ろしく

魅了される世界。

 

大きな山の小さな岩稜からもこの上ない美しさと無限の世界を感じる。

 

 

 

  

 

振り返り、越えてきたコブを眺める。

自己満足に浸る瞬間。

 

 

山頂からの絶景。

 

時空を超えた完結した世界に

ふと自分の存在が心もとなく感じる。

 

あわててアイゼンで雪面を掻く。

足に伝わる確かな振動に安堵する。

 

 

  

 

涸沢から見上げた北穂高岳から

涸沢岳への稜線は・・・

その懐に入ると、

岩岩岩の圧倒される風景。

穂高はすごい、

日本の山はすごい、

地球はすごい、

すべてがすごいの連続。

 

 

20代のころ、

それから20年経った今もなお

日々の暮らしの中で湧き上がる

穂高への想い。

訪れるたびその想いは深くなる。

 

いつか、

山を歩くことができなくなる日が来た時

情景の穂高は熟成され

私の一部となるのだろうか。

 

 

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こころの山 白山

 山道をてくてく歩いていると

頭の中のこんがらかった言葉から解放される。

出てくるのは体が感じた単純な一言。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初夏の陽気の中、

「なんだか今日は楽しいな」

白山の女神のささやき声が聞こえたような気がした。

 

自らの体を曲げ、重い雪の中でじっと耐えていた木々たち。

よし起き上がろう。

一本の木から生き抜く力を教わる。

 

 

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「比良のシャクナゲ」

堂満岳のシャクナゲは満開には少し早かった。

「ちょっと早かったね。」という言葉とは裏腹にほっとした自分がいる。

こころ震わせ読んだ井上靖の「比良のシャクナゲ」。

花花花の回廊を歩いたら何かを無くしてしまいそうな気がして少し怖かった。

 

人のこころなんか我知らずと空を向き咲くシャクナゲ。でもそのピンク色のぼんぼりのような花は、淋しい悲しい人のこころに、ぽっと明かり   

                                 をつけてくれる。

 

 

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雪に踊らされ・・・空木岳~南駒ヶ岳

一日目

木曾側から空木岳へ雪を求め雪のない道を歩き始める。

 谷をさかのぼる長い道を歩いているとヒマラヤの山里をめぐる行商人のような気分に。ふと見上げた青空。ネパールと繋がる青い空。同じ瞬間、空を見上げ重い荷物にため息をつく行商人のおじさんの存在を感じドキッとする。

 やっと現れた待望の雪は氷化してツルツル、その後はズボズボで踏み抜きの連続。嫌気が

さした時、木々の向こうに雪山が!明日はあの                                  

                                 絶景の中と今は辛抱の山歩き。

                               

 

 

 

二日目

一歩一歩空木岳へ。

静寂の世界。風の音が、確かにここを歩いている自分を感じさせてくれる。

 

 

遠くから眺めていた雪の中央アルプス。

今この稜線を歩いている私は幸せだ。

 

空木岳山頂。

一人は4か月前の凍った山頂を思いだし、

一人は20数年前の自分に思いをはせる。

 

 

南駒ヶ岳へ向かう。

春霞の中、太陽はジリジリと雪を溶かしていく。

雪稜に見とれつつ、足元の腐れ雪にため息をつく。

南駒ヶ岳からの下りは、雪と岩と地図とにらめっこ。

行き詰り戻ったり、息をひそめてソロソロ歩いたり、揚句には早く雪が無くなれと願ったり。

それでも雪の峰々を名残惜しく感じたり。

 

雪に踊らされ、私の心模様を体現したような二日間。

 

 

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三国山界隈 花詣で

黒河林道の横から明王の禿げに伸びる尾根。

山仕事をしていた人たちの息遣いをかすかに感じながらの山登り。

花冷えの中、絶え間なく目に飛び込んでくる春の花々。

タムシバは曇天が似合う。

なんて高貴な花なんだろう。

ため息をつく。

お目当ての一つ、赤坂山自然歩道沿いのカタクリ。

カタクリは発芽から花を咲かせるまで7,8年の歳月を過ごすという。今は一枚の葉のカタクリ達。二枚の葉になり可憐な花を咲かせるのは何年先だろう。花を詣で空想の世界で遊んだ半日。

 

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芽吹きの木地山~桜谷山

緑で覆われる前の明るい谷。

苔むした岩に一筋の流れ。

初めて歩く道ではないけれど初めて出会う風景。

刹那刹那の風景。

炭焼き窯跡と置き去りにされた重機。

かつてここで今日を生きた人々の痕跡。

白い斑点が続く山並み。

今年はタムシバの当たり年。

 

「さあはじまるよ!」

木々の山のささやく声が聞こえる。

茶色から緑の世界へ。

うずうずしているのは山か私たちか?

 

 

峠にたどり着いたとき、

人々は何を思い手を合わせたのだろう。

 

お地蔵様の新しいお堂。

時空を超え変わらぬ人の思い。

 

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2016 3月の山旅から~出会った風景

荒島岳 中出から勝原へ

「きれーい」と口走りながらの山歩き。

雪をほおばりながら

童心に戻った一日。

三度目の雪の荒島岳。

やっと白山の女神は微笑んでくださった。

 

雨乞岳 甲津畑~大峠~雨乞岳~千草越~甲津畑

稜線の先、雨乞岳を見上げると、

緑の中に白い塊が・・・。

霧氷!

「どうか間に合いますように」

 

間に合った。

冷たい風に今日は感謝。

 

 

緑の笹の海と真っ白に着飾った木々。

 

小さな枝にしがみついた霧氷をそっとはがし口の中へ。

キリッと冬の名残の味がした。

阿弥陀岳中央稜、赤岳

お彼岸の連休、日曜日は吸い込まれるような青空の下、汗をかきつつ山頂へ。

翌日は一転冬に逆戻り?

 

牛山 鵜川~牛山~カネガ岳~鵜川

近くの山からこの贅沢な眺望!

近江で暮らす幸せを感じる一瞬。

遠見尾根から五竜岳、唐松岳

カクネ里。

各地に点在する平家の落ち武者の隠れ里の伝説。

「隠れ里」、この響きに人は惹きつけられる。

 

自然の造形に息をのむ。

こんな不思議な姿も。

唐松岳に向かいつつも、何度も振り返り見とれてしまう五竜岳。

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