銀嶺へ サギダル尾根から宝剣岳

12月、アルバイト先は繁忙期。

二人の休みが合った絶好の山日和の一日、

今シーズン初の銀嶺を感じに出かける。

 

サギダル尾根。2600メートルの千畳敷から中央アルプス稜線へ伸びる小さくも登りごたえのある尾根。

前日の積雪でトレースの無い純白の雪原を登り始める。この感触!膝ラッセルにワクワクする。

宝剣岳南稜から来し方を振り返る。

壮大な風景の中の小さな小さな私。歩いた距離はほんのわずか。でも今の私は大きな充足感に包まれる。

 

 

山頂で絶景を堪能!と思うも、強風でそそくさと退散。

乗越浄土でエネルギー補給。

別方向からの宝剣岳を眺めようと中岳へ。

北稜からの宝剣岳の神々しさに、金縛りにあったように足が止まる。

 

和合山への途中から眺めるサギダル尾根と南稜、北稜。歩いてきたルートを目で辿る。

「サギダル」という不思議な響き。

 6月、極楽平周辺に鷺の雪形が現れるそうだ。

ダルは「垂る」。鷺の雪形の下方の滝(垂水)を指す。

北の将棋頭から南の越百山に伝わる雪形の数々。山と人との関わりの深さ、山への想い、

畏れ。雪形は農時期に入る人々の思いと繋がる。

いつか新緑のころ駒ケ根の地を訪ねようと思っ 

                                 た。