「お金明神」
樹林の中、突如現れる自然の造形。
昔、鉱山従事者が金山神と崇め、鉱山の衰退後は佐目の集落の人々の雨乞いの神様となったという。
天狗の横顔のように見える巨岩。
ピンと張りつめた空気の中、私も知らず知らず手を合わせていた。
オゾ鉱山跡。
鈴鹿の山中に点在する鉱山跡。明治から昭和にかけては集落が出来、学校もあったという。谷のあちこちに見られる炭焼き窯の多さも鉱山の活気を物語る。
戦時中が最盛期だった山の中の鉱山。
今は美しい二次林の風景の一部となり、かつての光景を想像するのは難しい。
きれいな絵柄のお茶碗。
このお碗でご飯を食べていた人は何処から来て何処へ行ったのだろう。
どのような思いでこの地を後にしたのだろう。
次の地で、素敵なお茶碗を置いてきてしまったことを思い出したりしたのだろうか。
今日を生きるのに必死だったのだろうか。
持ち主を失い何十年も経った今も洗いたてのように白く光る茶碗に私は次々問いかける。
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