秋の野坂山地 甲森谷、庄部谷山

秋の風が冷たく感じると野坂山地の紅葉が気になる。今日は甲森谷へ。

カツラの巨樹が静かに立ち並ぶ岸辺。積もった落ち葉の絨毯からは甘い香りが漂う。

綿あめのにおい・・・目の前の風景とは全く違うインドの田舎町の綿あめ屋さんの姿が脳裏に浮かぶ。山を歩きながらこころは記憶の中に迷い込む。

石積みを前に我に返る。この谷に点在する炭焼窯の跡。カツラの木が見つめていた人々の暮らしはいかなるものだったのだろう。

美しいぶなの林が広がる庄部谷山。

何世代にもわたり人の手の入った山。

大きなぶな、若いぶな、株立ちしたぶな、一本のぶなの木から山と暮らした人々の思いをかすかに感じる。