奥美濃の里山、花房山

優雅な山容と山名の花房山。

色づいた秋の奥美濃を感じに出かける。

かつては立派であったであろう廃寺の横が登山口。廃村となった村の里山の手入れされた道。この山を愛する人々の思いが伝わってくる。

笹薮の山頂も切り開かれていて360度の大眺望を楽しめる。幾重にも重なる奥美濃の山々、その先には白山が。村から山へ、山から山へ歩いた人々、山間の村で暮らした人々を想像する。

徳山ダムを俯瞰。

徳山村全八村の消滅と引き換えに出来た総貯水量日本一のダム。

手元にある奥美濃の本。そこに書かれた徳山の村々はもう存在しない。

百年後、二百年後、花房山から周りの山々を見渡した時、ダム湖は景色として山に溶け込んでいるのだろうか。

色づき始めた奥美濃の山は明るく、淋しい。

その淋しさが私をまた次の山へと向かわせる。