この先、きれいなお花畑があったはず。
あぁこれからしんどかった登りだ。
朝日岳から白馬岳への稜線。
たおやかな山並み、残雪の白さ、百花繚乱のお花畑・・・かつて私の見た風景が蘇る。
雪倉岳に着いたら・・・
そう、この瞬間をまた味わいたかったのだ。
どっしり存在感のある旭岳。
かっこいいなと毎回見とれている。
「今回は登ろう」
「私は眺めているだけで満足」
「じゃあ、一人で行ってくるね」
山頂を訪れた一人、眺めて満足の一人、
再び白馬岳を訪れた時、二人は旭岳をどう感じるのだろう。
今宵の寝所。
夕闇迫るテント場に肩を寄せ合うように集まる色とりどりのテント。
住んでいる場所も、日々の暮らし方も違う人達
が、今日、山上の小さな空間に集まり、幸せに浸りながら眠りにつく。
山頂でご来光を待つたくさんの人々。
少し離れ、静かに佇むカップル。
東の空を見つめその瞬間を待つ。
「あっ出た!」
山頂はどよめきで包まれる。
賑やかな白馬岳でのご来光。
その高揚感に胸が熱くなる。
多くの人々に愛される白馬岳。
訪れた人々の心の中に美しい思い出として残るのだろう。私の心にもたくさんの思い出が詰
まっている。 そして今回、楽しく美しい思い出が
さらに積み重ねられた。
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