北穂高岳から東に伸びる美しい岩稜。
涸沢から取りつきまで雪の急斜面を亀の歩みで登る。
稜線にのると槍が岳!
想い描いていた風景が今、目の前に。
岩と雪。
言葉はシンプルだが
そこは限りなく美しく怖ろしく
魅了される世界。
大きな山の小さな岩稜からもこの上ない美しさと無限の世界を感じる。
振り返り、越えてきたコブを眺める。
自己満足に浸る瞬間。
山頂からの絶景。
時空を超えた完結した世界に
ふと自分の存在が心もとなく感じる。
あわててアイゼンで雪面を掻く。
足に伝わる確かな振動に安堵する。
涸沢から見上げた北穂高岳から
涸沢岳への稜線は・・・
その懐に入ると、
岩岩岩の圧倒される風景。
穂高はすごい、
日本の山はすごい、
地球はすごい、
すべてがすごいの連続。
20代のころ、
それから20年経った今もなお
日々の暮らしの中で湧き上がる
穂高への想い。
訪れるたびその想いは深くなる。
いつか、
山を歩くことができなくなる日が来た時
情景の穂高は熟成され
私の一部となるのだろうか。
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