緑で覆われる前の明るい谷。
苔むした岩に一筋の流れ。
初めて歩く道ではないけれど初めて出会う風景。
刹那刹那の風景。
炭焼き窯跡と置き去りにされた重機。
かつてここで今日を生きた人々の痕跡。
白い斑点が続く山並み。
今年はタムシバの当たり年。
「さあはじまるよ!」
木々の山のささやく声が聞こえる。
茶色から緑の世界へ。
うずうずしているのは山か私たちか?
峠にたどり着いたとき、
人々は何を思い手を合わせたのだろう。
お地蔵様の新しいお堂。
時空を超え変わらぬ人の思い。
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